資本主義における「王道」
私達はどんな職業を選べばいいのだろうか。
就職活動をする学生に限らず、何をして生活の糧を得るかという悩みは多くの人が抱えるものである。
好きか嫌いか
やりたいかやりたくないか
得意か苦手か
稼げるか稼げないか
職業を選ぶにあたっては様々な指標がある。
何を一番大事なものとして決めるかはその人の価値判断と状況による。
たとえどれだけ嫌いでも金を沢山もらえるならどんな仕事でもやるという人もいれば、苦手な仕事をやるくらいだったら霞を食ってでも好きなことをやりたいという人もいる。
それは個別具体的なその人にしかわからない事情や状況、価値観があってのことだから他人がとやかく言うことではないだろう。
日本においてどんな仕事をするかは職業選択の自由によって好きなように選べることが保証されているのであるから。
だが、もしなにが自分の人生にとって大事な価値なのかがわからずどんな仕事をしたらいいのかわからないというのであれば、迷わず自分が好きなことを選ぶべきである。
もし金が沢山もらえるからといって嫌いな仕事を選んだらいつまでたってもその仕事に情熱を抱けず、たとえ努力をしても上達するのは容易ではない。
人間の脳は自分にとって重要でないと判断したものについては頭に残らないようになっている。
脳の性質上、その仕事が好きで好きでたまらなく一日中そのことを考えているような人間と、その仕事をどうしてもやりたくなくていかに楽をして早く帰るかということを考えている者では前者の方がよい仕事をするのは明らかである。
逆に自分の興味関心があること、好きなこと、情熱を抱けることを仕事にすれば、たとえ最初はうまくゆかなくともいずれ必ず上達する。
例えば100メートル走のような生まれつきの遺伝子が大きく影響する身体的な活動では、好きだからという理由だけでずっとやっていたとしてもその分野で抜きん出ることは難しい。
生まれ持った体格や骨格、筋肉量に大きく左右される分野だからである。
だが、そうではない仕事(頭を使う仕事と言っていいだろう)であれば生まれつきのものはさほど関係なく、トレーニングを積めば誰もがある程度の領域に達することができる。
例えばコンピューターエンジニアになりたいとしよう。
彼/彼女が有能なコンピューターエンジニアになるために必要なことは、頭の中にコンピューターエンジニアに必要な知識のニューラルネットワークを築くこと、ただこれだけである。
必要な知識を頭の中にインプットし、それを実践で使うトレーニングをする。
その頭の中にインプットした知識を有機的に繋ぎ合わせ、自由自在に引き出せるようになればコンピューターエンジニアリングのプロフェッショナルであると言えよう。
するとその分野での市場価値が高まり給与は自然とあがる。
好きなことをやっているのだから仕事を楽しめる上に、給与も自然とあがる。
長期的に見れば、自分の好きな仕事を選んで市場価値をあげる。これが資本主義社会における生き方の「王道」である。
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